動画制作を専門業者に依頼したいと思っても、動画制作会社によっては見積り金額が全然違うため、相場が掴めずどこに依頼して良いのか分からないという方は多いのではないでしょうか。
なぜ動画制作会社によって、または動画の種類によって料金体系や見積料金が違ってくるのでしょうか。
今回は、わかりにくい動画制作の相場や料金体系、内訳について動画の解説します。
動画制作会社やフリーランス(個人クリエイター)への発注や見積もりをとりたい方は本コラムで費用算出の考え方を身につけると良いでしょう。
動画制作にかかる費用相場
動画にはインタビュー撮影や会社紹介などさまざまな種類があり、それぞれ料金相場も変わってきます。まずは種類別のざっくりとした料金相場を把握しておきましょう。
動画の種類 | 料金 |
---|---|
インタビュー動画 | 3万~15万 |
セミナー・イベント動画 | 5万~80万 |
web動画(広告動画や新入社員に向けた研修動画など) | 20万~100万 |
会社紹介・PR動画 | 25万~150万 |
テレビCM | 50万~ |
アニメーション動画 | 20万~100万 |
上記で紹介した費用相場はあくまでも目安として押さえておいてください。撮影規模やスタッフ数、編集内容によっても料金は変動します。
動画の種類別に相場が違うのは、それぞれの動画によって撮影時間や機材、編集作業量などが変わってくるためです。
例えばセミナー動画は1時間以上の動画になることも多く、映像の途中に資料を挟んだり字幕を入れたりしますが、特殊なカメラで撮影したり手の込んだ編集はしないことがほとんどです。
したがって、動画制作料金は長い動画尺の割に安いこともあります。
反対にテレビCMは短い時間で視聴者に印象に残すため、さまざまな工夫を凝らした構成や編集、タレントのキャスティングなどをすることが多いことから、尺が短くても制作料金は高くなる傾向にあります。
動画制作料金の主な構成要素
ここでは、動画制作料金を構成する要素を大きく4つに分けて解説します。
これらを頭に入れておくことで、見積書の内訳を見る際に何にどれだけ費用が掛かっているか、料金は適切かどうかが把握しやすくなるでしょう。
以下では一般的なビジネス向け動画制作の中心価格帯を目安として解説していきます。
料金の目安となる動画の前提条件
ざっくりと以下のような条件だと仮定し、料金相場を解説していきます。
- とある中堅企業の製品紹介PR動画
- 動画の長さは5分前後
- 撮影日数1日
- 東京都内の動画制作会社に依頼した場合
- 制作した動画は自社ウェブサイトやYouTubeに掲載予定
企画・構成費
動画制作の中で一番重要とも言える部分です。
企画・構成費はどんな動画を作るにしても必ず必要な項目で、下記の費用が含まれており相場は10万~50万円となります。
項目 | 概要 | 相場 |
---|---|---|
企画・構成費 | ヒアリングを元に動画の骨組みを決めるための費用 | 3万~20万 |
ディレクション費 | 動画制作を取り仕切るディレクターの人件費 | 5万~25万 |
進行管理費 | スケジュール管理などにかかる費用 | 制作費の10%程度 |
企画・構成費
動画のコンセプト、ストーリー、尺を決めるほか、見た人にどんな印象を与えたいか、アニメーションは使うのか、キャスティングの有無など事細かな企画を練るためにかかる費用が企画・構成費となります。
ディレクション費
ディレクション費とは、動画制作に欠かせない存在であるディレクターの人件費です。ディレクターはカメラマンや照明・録音スタッフなどに指示を出し、動画制作の進行を取り仕切る大事な役割を担っています。
進行管理費
打ち合わせ・撮影・編集などのスケジュールを管理するための費用が進行管理費です。動画制作会社によってはディレクション費と合算されているところもあります。
撮影技術費
撮影が必要な動画制作の場合は下記の費用が発生します。相場は10万~50万円です。
※アニメーションやモーショングラフィックスなどの撮影を必要としない動画の場合、撮影技術費は発生しません。
項目 | 概要 | 相場 |
---|---|---|
カメラマンなど技術スタッフ費 | カメラマン、照明、録音スタッフにかかる人件費 | 5万~100万 |
機材費 | カメラ、照明機材、音声収録機材など撮影に必要な機材にかかる費用 | 5万~50万 |
キャスト費 | 役者、タレント、モデルなどの出演料としてかかる費用 | 5万~30万 |
ヘアメイク費 | ヘアメイクにかかる費用 | 5万~10万 |
スタイリスト費 | スタイリストにかかる費用 | 5万~10万 |
収録スタジオ費 | 収録スタジオをレンタルするのにかかる費用 | 5万~10万 |
美術費 | 撮影に使うセットや小道具を制作、またはレンタルするのにかかる費用 | 必要に応じて |
カメラマンなど技術スタッフ費
カメラマンや技術スタッフの人件費のことですが、動画の規模によってスタッフ数とスタッフの拘束時間が変わるため、相場にかなりの差があります。
また、カメラマンのスキルによっても単価が異なります。ハンディカメラを使った簡単な撮影の場合は費用は安くなりますが、高度なスキルが必要となる撮影では費用が高くなります。
機材費
カメラや照明機材など、撮影で使う機材にかかる費用のことです。機材のグレードによって価格の差が大きく変動します。ドローンやアクションカメラを使う場合は通常の撮影より費用も上がります。
キャスト費
動画に出演する演者にかかる人件費のことです。もちろん演者をキャスティングしない動画の場合はキャスト費はかかりません。
スタイリスト費・ヘアメイク費
出演者の衣装やヘアスタイルを整えるスタッフの人件費です。動画制作会社によっては衣装代も含まれていることがあります。
収録スタジオ費
収録スタジオ費は、撮影するスタジオをレンタルするのにかかる費用です。
最近では収録スタジオを完備している動画制作会社もあり、収録スタジオ費がかからないケースもあります。
美術費
動画内で使うセットや小道具を制作するのにかかる費用のことです。また、小道具を専門に扱う業者からレンタルする場合もあり、その際のレンタル料も美術費として計上されます。
編集技術費
編集技術費も企画・構成費と同じく動画制作に必ずかかる費用です。
編集技術費には下記の費用が含まれており、料金相場は10万~50万円です。
項目 | 概要 | 相場 |
---|---|---|
動画編集費 | 編集スタッフの人件費 | 5万~50万円 |
ナレーション費 | ナレーターにかかる人件費 | 3万~10万 |
素材費 | 静止画やイラストなどの素材購入にかかる費用 | 必要に応じて |
音楽効果費 | BGMにかかる費用 | 3万~15万 |
動画編集費
撮影した動画素材から必要なカットを並べたり、テロップやエフェクトを挿入する動画編集スタッフの人件費のことです。動画編集費は動画の尺が長ければ長いほど編集にも時間がかかるため、料金が高くなります。
ナレーション費
ナレーターの人件費のことです。有名なナレーターにナレーションを依頼する場合は料金も高くなります。
素材費
動画に挿入する静止画やCG、アニメーションの素材購入にかかる費用です。
自分で素材を用意する場合やフリー素材を使えば素材費はかかりませんが、場合によってはチープな印象を与えかねません。
素材費は編集費と合算されている場合もあります。
音楽効果費
BGMや効果音の購入にかかる費用のことで、JASRACが管理しているアーティストの楽曲を使用する場合は、使用料が別途かかります。また、オリジナルのBGMを作る場合も製作費が別に発生します。
その他費用
上記以外にも撮影に関わる費用があります。
項目 | 概要 | 相場 |
---|---|---|
移動交通費 | 撮影場所までの移動にかかる費用 | 実費分 |
宿泊費 | 撮影が連日続く場合のスタッフの宿泊費用 | 実費分 |
車両費 | 撮影場所に機材を運ぶための車両費用 | 実費分 |
移動交通費と宿泊費に関しては、スタッフの人数分が可算されるため撮影に関わるスタッフが多ければ多いほど料金も高くなります。
動画制作料金が変動する要因
上記の相場を見ると、最低価格と最高価格の差がかなり大きいと言うことがお分かりいただけると思います。
いろいろな動画制作会社のHPを見ても相場にバラつきがあるため「これでは自分が作りたい動画がいくらになるかわかならい」と思ってしまう方は多いはずです。
動画制作の主な費用は「人件費(技術費)」と「機材費」の2点からなっていますが、動画制作料金が変動する主な要因をいくつかリストアップしてみました。
- 動画の長さ
- 撮影日数・時間
- カメラの台数
- スタッフなどの制作に関わる人数
- タレントやモデルの有無
- ロケ会場のレンタル費
- CG・アニメーションの有無
例えば大規模な撮影の場合、カメラマンやアシスタントの人数も増えるため、その分人件費がかさみます。
また、有名な演者を起用するとキャスティング費も高くなります。有名人を起用することが多いテレビCMの相場は、50万から場合によっては数千万円と費用の幅がかなり大きくなります。
フリーランス(個人)に動画制作を依頼することでコストを抑える
動画制作の料金を安くしたいと考えている方は「フリーランス」への依頼も視野にいれると良いでしょう。
フリーランスや個人の動画クリエイターを上手に活用することで安く動画制作をすることができることもあります。
しかしながら、外注管理や発注のコストが思ったよりかさんでしまったり、品質のバラつきが生じたりとデメリットも考えられます。
このように、フリーランスに依頼することはメリットもデメリットもあります。
クラウドソーシングを利用したフリーランス活用について詳しくは以下の記事を参照してください。
動画制作を個人に依頼したほうが安い?フリーランスに依頼するメリデメと上手なクリエイターの探し方
相場と主な内訳をしっかり把握しておこう
今回は制作する動画の種類別に費用の相場と料金を構成する主な項目について紹介しました。相場感を身につけておくことは、動画制作会社選びで損をしないためにもとても重要です。
相場と内訳を把握しておけば、動画制作会社や個人の映像クリエイターからの見積もりを正しく理解し、適正な価格で発注することが可能となります。
動画の内容や規模によって、必要な項目が盛り込まれたパッケージプランを用意している動画制作会社もあります。そんな場合でも今回紹介した相場を当てはめることで、最適なパッケージプランを選択することができるでしょう。
動画制作費用に関するご質問やご相談はVIDWEB(ビッドウェブ)にご相談ください。
動画制作の相場 予算と価格別制作事例
監修者
プロデューサー
大学卒業後、CM制作会社、テレビ番組制作会社、WEB動画制作会社を経て現在に至る。クライアントの持つ課題に対し、「発想力+チーム力」を活かしたプランニングや、マーケティングの知見を活かした企画に定評。 自身も数多くの演出をしてきた経験を基に、企画プランを実現するために最適なチームを編成した映像制作は高い評価を得ている。ブランディング戦略や、コンテンツを軸としたコミュニケーションデザイン(コンテンツマーケティング)を得意とする。